くも膜下出血…命を脅かす恐ろしい病気【知ってる?SAH】
治療,手術

治療・手術

くも膜下出血は自然に治る種類の病気ではないので、手術を含めた適切な治療を受けなければなりません。出来るだけ早期の内に治療できれば言うことなしですが、病状が進行してから治療を受けるという人も多いのが実情です。ここでは、くも膜下出血に対しての手術法や治療法について解説します。

くも膜下出血への治療法・手術法について

命に関わる可能性が高い病気ほど、精密検査による早期発見と適切な早期治療が病気の完治に大きく貢献することになります。

これは術後生存率が余り高くはないくも膜下出血にも言えることで、最悪の事態を招かない為にも適切な治療を受けることが重要です。くも膜下出血の治療ではどのような手術法や治療法が取られているのでしょうか?

治療の基本は外科手術

くも膜下出血は患部が頭蓋骨と脳の間にある髄膜で起こる病気なので、どうしても開頭手術を伴う外科手術を行なう必要性が高くなります。

開頭手術を行なわない手術法もありますが、手術法の選択は病状の進行具合に左右されるので患者が選べない場合が多いのがネックといえるでしょう。

脳動脈瘤クリッピング術

くも膜下出血への治療として主に選択されるのが「脳動脈瘤クリッピング術」です。開頭手術を行ない、頭蓋骨の一部切除を行って髄膜を露出させて患部であるくも膜に辿り着いた後、脳動脈瘤の根元に金属製のクリップを挟んで脳動脈瘤への血流を閉鎖させるという手術法です。

発作後の再出血を防止できるというメリットがあり、発作後72時間以内に行われることが多いのが特徴です。しかし、開頭手術に伴う感染症や脳梗塞発症の危険性や症状が重すぎた場合には適応できないなどのデメリットなどもあるのが悩みどころです。

血管内コイル塞栓術

脳動脈瘤クリッピング術と並んで選択される「血管内コイル塞栓術」は、開頭手術が不要というメリットを持った手術法です。太腿の付け根である鼠頚部にある大腿動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を通して脳動脈まで送り、脳動脈瘤内にプラチナなどの金属製のコイルを充填します。

金属が持つ凝血作用とコイルによって動脈瘤が固められて動脈瘤破裂を防ぐのが目的の手術法です。開頭手術を伴わない為、身体への負担が少なく髪を剃らなくてよいなどのメリットがあります。

しかし、適応できるのは「未破裂動脈瘤に対してのみ」となっている為、脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を発症している場合には利用できないこと、施術後の脳動脈瘤は破裂しない保証がないなどのデメリットも存在しています。

脳室腹腔シャント術など

くも膜下出血を発症すると脳脊髄液の吸収作用が不十分になり、脳室に脳脊髄液が溜まる「水頭症」を起こすことがあります。水頭症に対しては、脳室にドレーンと呼ばれる管を付けて、お腹に余分な脳脊髄液を送る「脳室腹腔シャント術」を行うことになります。

また、脳圧が高い場合は開頭手術で切除した頭蓋骨を開放したままにする「減圧開頭術」を行います。

内科治療について

くも膜下出血の治療でも薬物療法などの内科治療が行なわれますが、脳動脈瘤を破裂させないための血圧のコントロールや、血管拡張剤・血栓溶解剤の投与などの外科手術のサポートをする形で行うのが一般的です。現時点では動脈瘤の治療薬は存在しない為、内科治療で治せないため、このような形になっているのです。

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