くも膜下出血…命を脅かす恐ろしい病気【知ってる?SAH】
後遺症,生存率

後遺症・生存率

世の中には「病気を患っても医者に掛かれば必ず完治して、すぐに社会復帰できる」というような思い込みが少なからずあるといえます。しかし、最上級の設備と名医を備えた病院で治療しても後遺症が出る病気もあれば生存率が低い病気もあるのです。くも膜下出血の後遺症や生存率について解説します。

くも膜下出血の予後〜後遺症はあるのか、生還の確率は?

病気の症状には発病中に起こるものと治療後に起こるものがあります。

後者の治療後に起こる症状である後遺症は、病気そのものが治っていても続くため日常生活への復帰を困難にしてしまう原因となります。くも膜下出血ではどのような形で後遺症が起こるのでしょうか?

どんな後遺症が起こるのか?

命に関わる病気であるだけに、くも膜下出血での後遺症は重篤なものになりやすいといえます。どのような後遺症が発生し、健康に影響を及ぼすのでしょうか。

脳血管攣縮

くも膜下出血を起こした後2~3週間の間に発生する後遺症が「脳血管攣縮」です。脳血管攣縮は脳の血管が縮み、内径が細くなる現象です。

これによって脳への血流量が減少して脳梗塞を併発する危険性が上昇し、重度の場合命を落とすこともあります。

脳血管攣縮が発生する原因については未だ特定されていませんが、血管拡張効果のあるカルシウム拮抗剤などの投与といった対処法は確率されています。

再出血

くも膜下出血は治療しても再出血によって再発する可能性を持っています。再出血は早くて24時間以内、遅くて2週間前後に起こります。再出血は発症の原因となっている脳動脈瘤が再度破裂することで起こり、外科手術での対処が必要になります。

タコツボ心筋症

くも膜下出血を発症することで、心身は多大なストレス負荷に襲われることになります。極度のストレスによって血圧の上昇が起こり、心臓への負担が増大します。

負担が増した心臓は左心室がタコツボのような形に変形する「タコツボ心筋症」を引き起こしてしまいます。タコツボ心筋症が起こると、全身の倦怠感や息苦しさを感じるようになり最終的には心不全を起こしてしまいます。

水頭症

くも膜などの髄膜には、脳を保護する脳脊髄液の分泌・吸収を行う働きがありますがくも膜下出血によって吸収作用が阻害されると、溢れた脳脊髄液は脳室に流れ出してしまい水頭症を引き起こします。水頭症を発症すると頭痛や吐き気、視神経の圧迫による視力低下や失明を起こすことがあります。

くも膜下出血の予後と生存率

命に関わる病気というものは、治療に成功して病巣を取り除けてもまだ安心できないものです。くも膜下出血の場合、予後はあまりよくない病気の一つに数えられるほど生存率が芳しくないといえます。

まず、発作で意識障害が起こった時点で患者の3分の1がそのまま帰らぬ人になってしまいます。治療しても再発や後遺症でさらに3分の1の患者が倒れ、残り3分の1の患者が社会復帰できるという具合です。

つまり、くも膜下出血の生存率は約33%程度ということになります。医学の進歩によって生存率は緩やかに上昇していますが、早期発見と治療が大事であることには変わりないのです。

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